・メチレンブルーの酸化還元


(1)実験操作(動画はこちら)

@ 100 mL三角フラスコに水50 mL、水酸化ナトリウム0.8 gを加え、三角フラスコを水平に振って水酸化ナトリウムを溶かす。

A 水酸化ナトリウムが完全に溶けたことを確認して、三角フラスコにグルコース0.5 gを加え、同様にしてグルコースを溶かす。

B 1 Lビーカーに水を適量入れ、ガスバーナーで加熱をして温める。温度計を見ながら、5060程度まで水温が上がったら火を弱め、その温度を保つようにする。

C 100 mL三角フラスコを水浴に浸し、23分ほど温める。

D メチレンブルー水溶液を数滴三角フラスコに加え、色の変化を観察する。このとき、青色のメチレンブルーは直ちに無色になる。

E 三角フラスコにゴム栓をして、鉛直方向に激しく振る。このとき、無色の水溶液は直ちに青色になる。

F 三角フラスコを実験台に置いて、静置しておく。すると、青色の水溶液は徐々に無色になる。

 

(2)理論

この実験は、メチレンブルーの酸化還元反応を利用した呈色実験です。三角フラスコを鉛直方向に激しく振ると、無色のロイコメチレンブルーは、フラスコ内の酸素O2によって酸化され、青色のメチレンブルーになります。また、三角フラスコを振るのを止めると、水溶液中に酸素O2が溶け込まなくなるので、青色のメチレンブルーは、液中のグルコースC6H12O6の還元作用によって、無色のロイコメチレンブルーに還元されます。

 

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.1  メチレンブルーの酸化還元

 

メチレンブルーの還元反応では、上記の化学反応式で示したように、グルコースC6H12O6が還元剤として作用しています。塩基性溶液中では、グルコースC6H12O6は容易に酸化されてグルコン酸イオンC6H11O7 となるので、そのために還元作用を示します。水酸化ナトリウムNaOHを加えるのは、溶液を塩基性にするためであり、塩基性条件では、グルコン酸C6H12O7が直ちに中和されるため、酸化反応が平衡的に有利になります。

 

 

また、メチレンブルーの酸化反応では、三角フラスコを鉛直方向に激しく振ることによって、水溶液中に酸素O2が溶け込み、酸素O2が酸化剤として作用するようになります。これらの酸化還元反応を利用することで、「青色から無色に」、「無色から青色に」と繰り返し変色する「魔法の液体」を作ることができるのです。

また、化学反応の反応速度は、次に示すアレニウスの式より、一般的に反応系の温度Tに依存するため、高温の水溶液で行うほど、酸化還元反応の反応速度は大きくなります(反応速度と化学平衡を参照)。メチレンブルーの酸化還元反応では、酸素O2による酸化反応は比較的速やかに進むものの、グルコースC6H12O6による還元反応は反応速度が遅いため、温度が低いとなかなか進みません。この実験の面白さは、変色が可逆的に起こることにあるので、変色反応を速やかに進めるためにも、水溶液の温度は、室温よりも少し高めにしておくのが良いと思います。水溶液の温度が下がっても、再び水浴で温めてやれば、繰り返し使用することができます。ただし、水溶液の温度を上げ過ぎると、グルコースのカラメル化が起こって、褐色の重合体が生成してしまい、還元力を失ってしまうので注意が必要です。水浴の温度は、5060程度に保つのがコツです。

 

 

また、実験試薬については、グルコースは、最近ではサプリメントとしても販売されているので、入手は簡単でしょう。薬局でも、販売しているところをよく見かけます。グルコースがない場合は、ハチミツなどでも代用可能です。ただし、砂糖は還元性がないので、この実験では使えません。メチレンブルーは、試薬として購入すると非常に高価なので、次の図.2のような熱帯魚用の治療薬として売られているものを利用するのがおすすめです。水酸化ナトリウムについては、一応劇物なので、薬局などで注文し、取り寄せてもらうようにします。購入する際に理由を聞かれたら、「メチレンブルーの化学実験をする」といえば、購入できると思います。ただし、水酸化ナトリウムは劇物なだけに、取り扱いには十分注意するようにしましょう。目に入ったら、失明の危険性もあります。

 

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非常に高い精度で生成された説明

.2  メチレンブルーは、試薬として購入するよりも、魚病薬として売られているものを買う方が安価である

 

この実験は、試薬の分量が適当でも、それなりに上手くいきます。反応速度は、試薬の分量よりも、むしろ温度の影響の方が大きかったりします。デモンストレーションなどでこの実験をするときは、温度管理だけはしっかりとしておきましょう。また、実験操作Aで、水酸化ナトリウムが溶け残っている状態でグルコースを加えると、水酸化ナトリウムの溶解熱により、グルコースのカラメル化が起こることがあります。溶液が褐色になると、実験が上手くいかなくなるので、注意が必要です。

 

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.3  無色のロイコメチレンブルー()と青色のメチレンブルー()


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