ラムネ菓子を作ってみよう!


【目次】

(1) 実験操作

(2) 理論


(1) 実験操作

@ グラニュー糖15 gと片栗粉12 gをジップロックに入れる。

A クエン酸0.5 gと少量の食用色素を加え、よく揉んで混ぜる。

B 水を7滴、レモン果汁を3滴加え、さらによく揉んで混ぜる。

C 水分がなくなってきたら、重曹を0.5 g加え、よく揉んで混ぜる。

D 強く握ると固まるぐらいになったら、食品用ラップフィルムに取り出して好きな形に成形する。握っても固まらない場合は、水を1滴加える。

E 半日ほど自然乾燥させて完成。

 

.1  手作りのラムネ菓子

 

(2) 理論

 ラムネ菓子は、ショ糖(またはブドウ糖)、片栗粉、クエン酸を原料にした駄菓子です。昔は清涼感を出すために、重曹を加えたものが多かったようですが、現在市販されているラムネ菓子には、含まれていないものが多いです。重曹は、酸と反応すると二酸化炭素CO2を放出して発泡する性質があるため、重曹を加えることで清涼感が得られます。化学反応としては、重曹の成分は炭酸水素ナトリウムNaHCO3なので、ラムネ菓子が口の中で溶けたときにクエン酸H3(C6H5O7)と反応して、二酸化炭素CO2を発生させます。

 

H3(C6H5O7) + 2NaHCO3 → Na2H(C6H5O7) + 2H2O + 2CO2

 

 この反応が起こる理由は、クエン酸H3(C6H5O7)が炭酸H2CO3よりも酸性度が強く、弱酸遊離反応が起こるからです。ただし、弱酸として遊離する炭酸H2CO3は不安定なので、口の中ですぐに水H2Oと二酸化炭素CO2に分解します。なお、クエン酸H3(C6H5O7)は三価の酸で、酸解離定数pKaは第一電離が3.12、第二電離が4.76、第三電離が6.39です。それに対し、炭酸H2CO3は二価の酸で、酸解離定数pKaは第一電離が6.35、第二電離が10.33です。それ故に、クエン酸H3(C6H5O7)の第二電離までは、炭酸H2CO3よりも酸性度が強いので反応が起こりますが、第三電離では弱酸遊離反応が起こりません。

 

.2  クエン酸の構造式


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