・ペットボトルに使われているプラスチックの鑑定


(1)実験操作

(i)ペットボトルをニッパーやペンチなどを使って、本体の部分、蓋の部分、飲み口の部分に分解する。

(ii)分解したプラスチックを水に浮かべて、浮かぶかどうかを調べる。

(iii)分解したプラスチックを飽和食塩水(密度は約1.2 g/cm3)浮かべて、浮かぶかどうかを調べる。

(iv)分解したプラスチックを燃やしてみて、臭いや燃え方を調べる。

(v)分解したプラスチックがバイルシュタイン反応を起こすかどうかを調べる。

 

(2)理論

 プラスチック(plastic)とは、熱や圧力を加えることにより成形加工のできる、高分子化合物のことです。この高分子化合物には、天然高分子化合物(natural polymer)合成高分子化合物(synthetic polymer)がありますが、普通プラスチックというときには、石油から生まれた合成高分子化合物のことを指します。プラスチックには様々な種類がありますが、代表的なプラスチックは以下の表.1の通りで、それぞれ異なった性質を持っています。

 

.1  代表的なプラスチックの性質

 

 なお、バイルシュタイン反応(Beilstein reaction)というのは、ロシアの化学者フリードリヒ・バイルシュタインが考案した簡単なハロゲンの検出法です。銅線の端をバーナーでよく加熱し、表面に赤褐色の酸化銅(II) CuOの被膜が生じてから、微量の試料を付着させ、再び炎の中で加熱します。すると、試料に塩素Cl、臭素Br、ヨウ素Iが存在すれば、銅Cuの炎色反応(青緑色)が現れるのです。この反応は、酸化銅(II) CuOがハロゲン化合物と反応して、揮発性のハロゲン化銅を作るという性質を利用しています。ただし、この反応では、フッ化銅(II) CuF2が不揮発性なため、フッ素Fの検出はできません。

 

(3)結果

 実験結果は、次の表.2のようになりました。

 

.2  実験結果

 

 これより、ペットボトルの本体の部分と飲み口の部分はポリエチレンテレフタラート(PET)で、蓋の部分はポリプロピレン(PP)であることが分かりました。本体の部分と飲み口の部分が同じポリエチレンテレフタラートであることは、意外のように思われますが、これは構造が違うからです。飲み口の部分は結晶構造が比較的多く、強度が高いです。それに対して、本体の部分は非結晶構造が多く、柔軟性や透明度が高いのです。


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