・炎色反応で花火体験!


(1)実験操作

@ 塩素酸カリウムを薬さじで2杯量り取り、乾燥した試験管に入れる。

A 塩化ナトリウム・塩化バリウム・塩化カルシウムのいずれか1種類を選び、薬さじで0.5杯量り取って、@の試験管に加える。

B 試験管を試験管ばさみで保持し、ガスバーナーで全体を弱火で満遍なく加熱する。

C 固体混合物の融解が始まったら、固体混合物の上部を強火で加熱する。

D 固体混合物がすべて融解したら、ガスバーナーから少し離し、爪楊枝を1本だけ投入する。

E 激しい燃焼反応が終了したら、また爪楊枝を1本だけ投入する。

F Eの操作を、塩素酸カリウムの液体がなくなるまで繰り返す。

 

(2)理論

「炎色反応(flame reaction)」は、定性分析で元素の存在を確認するのに有効な方法です。汎用される手法は、次の図.1のような白金線を用いたものです。イオンを含む水溶液を、希塩酸HClで洗った白金線の先に少量付け、ガスバーナーの炎にかざします。すると、炎に特有の色が付くのです。

 

.1  白金線を用いた「炎色反応」

 

これは、原子に熱などのエネルギーを与えると、内側にある安定な電子が励起して不安定な状態となり、熱が下がったときに安定な基底状態となって、このときにそのエネルギー差に対応する光を放出するためです。このエネルギー差は、各電子殻のエネルギーが量子化されているため、各元素によって決まった値を取ります。つまり、各元素によって、炎色反応で示す色が決まっており、またそれぞれで異なっているのです。可視光では、振動数が大きいと紫色よりに、振動数が小さいと赤色よりになるので、エネルギー差が大きいほど、紫色よりになります(無機化学(イオンの系統分離)を参照)

 

空, 座っている, ライト, 屋外 が含まれている画像

非常に高い精度で生成された説明

.2  代表的な金属元素の「炎色反応」

 

しかし、白金線で観察する炎色反応は、「炎が小さくて観察しにくい」という欠点があります。ここで示す炎色反応の実験は、「試験管自体が元素特有の炎色に輝く」という方法であり、迫力のある炎色反応が見られます。

 

.3  試験管で行う炎色反応は、白金線で行うものよりも迫力がある

 

 塩素酸カリウムKClO3は、400℃以上の高温にすると、融解して液体となり、分解して酸素O2を発生させます。この反応は、二酸化マンガンMnO2などの触媒を加えると促進され、触媒があれば、70℃ぐらいの温度でも酸素O2を発生させます。

 

2KClO3   (高温)  2KCl + 3O2

 

塩素酸カリウムKClO3を分解しただけでは、炎色反応は起こりません。しかし、爪楊枝などの可燃物を入れると、炎色反応が観察されます。これは、物が燃えるためには、3つの要素「熱」・「酸素」・「可燃物」が必要だということを表しています。

塩素酸カリウムKClO3と爪楊枝だけでは、紫色のカリウムKの炎色反応が観察されます。しかし、ここに塩化ナトリウムNaClや塩化バリウムBaCl2などの金属塩をさらに加えると、カリウムKの炎色反応を差し押さえて、その塩に含まれる元素の炎色反応が観察できます。これは、カリウムKの炎色反応が、他の元素の炎色反応と比較して薄いためです。

 

(3)結果

 次の表.1に、試薬の組み合わせによる炎色の違いを示します。塩化ナトリウムNaClや塩化バリウムBaCl2などの金属塩は、試験管に多く入れ過ぎると、掃除が大変になるので、金属塩は少量で十分です。

 

.1  試薬の組み合わせによる炎色の違い(試薬は薬さじで量り取ること)

試薬

炎色

塩素酸カリウム2

紫色

塩素酸カリウム2杯+塩化ナトリウム0.5

黄色

塩素酸カリウム2杯+塩化バリウム0.5

黄緑色

塩素酸カリウム2杯+塩化カルシウム0.5

橙赤色


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